群馬県央摂食嚥下研究会の設立にあたって

会長

群馬県央摂食嚥下研究会の会長を、2020年の創設時から務めさせて頂いている、頭頸部免疫栄養研究所 ぐんま耳鼻咽喉科クリニック 摂食嚥下地域医療センター 院長の坂倉浩一と申します。
いわゆる「言い出しっぺ」でもあり、創設に向けて様々な方々のお力添えを得ながらこの研究会を立ち上げました。

私は開業前の大学病院での勤務医時代、主に群馬大学医学部附属病院と国立病院機構渋川医療センターで、摂食嚥下チームを立ち上げ活動してきました。
2018年ににイオンモール高崎の近くに耳鼻咽喉科クリニックを開業しましたが、高崎市の摂食嚥下医療のレベルが、極端に低いことに驚きました。
摂食嚥下を専門とする耳鼻咽喉科医としてこれはなんとかしなければならないと、所属する群馬郡医師会のご助力を得て(現在医師会理事としても活動中)、多くの世話人、オブザーバーの方のご協力を得て、群馬県央摂食嚥下研究会の設立に至りました。

県央地区、特に高崎市の摂食嚥下ケアのレベル低下には、行政や大病院(前橋市と比べて病院数が少ない)における問題が大きく、その問題が地域に丸投げされていて、患者さん・ご家族・入所施設が困り果てているのが現状です。
群馬県最大の市・医療圏でありながら、未だに非人道的な摂食嚥下医療がまかり通っていることに、大きな危機感を感じております。
草の根からでもいいので、群馬県央地区の摂食嚥下ケアのレベルを少しでもゆっくりとでも底上げして、最終的には行政をも動かせればいいなと夢見ています。

また摂食嚥下の領域は、多職種が協働して初めてうまく回っていくものです。
この研究会は世話人・オブザーバー含め、多職種であることにこだわりました。
特に高崎の人は群馬県の他の地域と違い、東京と似て他人との交流を極端に嫌う傾向があるように感じます。
同じ職種でも違う病院の人とは連携しにくい地域柄、多施設多職種一堂に会して交流して議論する場を作ることこそが、有意義なプロセスであると考えております。

本研究会は3の倍数の月の第2火曜日に行い、2024年8月現在で16回の研究会を行いました。。
創立当初の2020年はまだ武漢肺炎(新型コロナウイルス:COVID-19)の影響で、対面による会場開催に加えてZoomによる同時配信と、YouTubeによるオンデマンド配信を併用しての開催で、トラブルも多々ありました。
2024年9月10日の第17回研究会より初めて対面での会場開催のみとなり、より多くの会場参加者を見込めればと考えております。
開催会場としては主に、高崎市市民活動センター「ソシアス」1階市民ホールか、その向かいにある高崎市群馬福祉会館2階会議室を利用しております。
また創立後から絶えることなく研究会後の情報交換会も開催しており、最近では会場から近い足門町の「旬鮮酒房 華暖(かのん)」で行うことが多くなっております。

本研究会は共催の群馬郡医師会を通じて、高崎市から地域包括ケアシステム整備のための在宅医療介護体制整備推進事業の予算を頂いて運営しております。
また毎回メーカーのブース出展と製品説明も行っており、株式会社フードケア・株式会社カレイド・株式会社明治・森永乳業クリニコ株式会社・株式会社大塚製薬工場・群馬ヤクルト販売株式会社など、多くの企業様に新しい製品知識を提供して頂いております。
参加費はもちろん無料ですが、会場や資料の用意、情報交換会参加人数の把握のため、「研修会情報」ページの各回のgoogleフォーム、あるいは「お問い合わせ」ページのフォームからの事前登録にご協力頂けると助かります。
もちろん当日ふらっと来て頂いても参加できます。

今後とも群馬県央摂食嚥下研究会への皆様のご参加、ご協力、拡散をお願いいたします。

群馬県央摂食嚥下研究会
会長 坂倉 浩一